正冨汪洋歌碑

明治大正昭和に亘って活躍した詩人。明治十四年四月一日、邑久町本庄佐井田に生まれ、竹久夢二とは同地区で「竹馬の友」である。本名は、由太郎といい、明徳小學校から邑久高等小学校、岡山中学から閑谷校を経て上京し哲学館(現東洋大学)に入學、同校で国文学を学ぶ。詩人・歌人として自由奔放で多彩な詩才として活躍した。
郷里の国司が丘には、昭和三十五年地元の有志によって詩碑が建立された。

柿の実に柿の実の味
りんごの実にりんごの味
割られても 切られても
失われない味 ののしられ蹴られ
殺されても きずつけらない味
すぐれた人のすぐれた味

有名なエピソードとして、汪洋は、与謝野鉄幹の前妻滝野と結婚、滝野から「鉄幹より偉くなってください」と口癖のように言われたという。